初公開から2ヶ月ほど経った振り返りを兼ねて。ポエム記事です。
1. VMagicMirrorとは
Windows上で、キーボードとマウスだけでVRMをいい感じに動かせるソフトです。BOOTHで公開しています。
Twitterでの使用例だとタイピングゲームの寿司打で遊んでる人が多いです。
#VMagicMirror
— 獏星(ばくすたー) / Megumi Baxter (@baku_dreameater) 2019年3月16日
社畜ちゃんに寿司打をやっていただいたところ、キャラ性も踏まえてタイピングゲームとの相性が無限によくなった図です pic.twitter.com/KVTg0gkPgo
配信ではなく、画面端にキャラを置きっぱなしにしても楽しめます。
このほか、仕事での導入例としてバーチャルオンライン家庭教師の創条ユニト先生からご利用報告を頂いてます。
上記のように「PC画面の作業風景を高解像度で見せつつ、アバターも(ついでに)出したい」という用途には強いです。
技術解説とか作業配信ではこの条件がよく合致します。
2. 初公開までの経緯
原型アイデアは約4年前です。
デスクトップマスコット「社畜ちゃんタイピング」、およびVisual Studio拡張「社畜ちゃんIDE」からの地続きです。
【社畜ちゃん】タイピングするデスクトップマスコット【作った】 - ニコニコ動画
上記ではGUI用のフレームワーク(WPF)をキャラ表示に使っており、3DCGへの対応見込みがありませんでした。
しかしその後VRMが規格化され、ライブラリとしていい感じになったので「これならば」と開発に乗り出しました。
開発の出だしが3月上旬で、初版(v0.1)をBOOTHに出したのが3月13日。
初版のリリースまで8日くらいで漕ぎつけました。気合いは大事だなあと思いました。
公開後、いくつかの機能追加とかマニュアルの整備を経て今に至ります。
3. ソフトウェアのコンセプト
まずデバイス要件をとにかく下げ、「○○は持ってないから使えない」問題をなくすことにしました。
(続き)
— 獏星(ばくすたー) / Megumi Baxter (@baku_dreameater) 2019年5月6日
VMagicMirrorに(Windows PCであること以外の)デバイス要件があまり無いのは、まあ、そういうことです
ちなみに、私が「それ誰も持ってないよ」系デバイスと呼んでいるモノの例はこんな感じです。
たぶん1つも持ってないですよね?(持ってる貴方は恐らくガジェットオタクです。)
なお、より正確には「VMagicMirrorの為にわざわざ何か買わせたくない」というのが指針です。
ですから「もしSwitchが家にあればJoy-Conで○○出来ます」程度はOKかなーと思っています。
以上のデバイス要件を前提に、VMagicMirrorは名前通り「鏡」を基本コンセプトにしています。
設計に困ったときは「コレは鏡としてはどうなんだ」という観点で検討しています。
例えば、以下の基本機能はすべて鏡っぽいから搭載されています。
- マウスポインタを視線で追尾
- 人もマウスポインタを見る
- コントローラーのスティック入力で体が傾く
- 人もレースゲームでスティック倒すと体が傾く
- 顔トラッキング(※ウェブカメラが十分安いのも理由です)
- これは言わずもがなですね。
逆に、例えば表情をショートカットキーで切り替える機能がない根本的な理由は鏡っぽくないからです。
コンセプト的にOKな方式で検討してるのは例えばこんな感じ。
- 音声と表情からユーザーの感情を推定し、喜怒哀楽の表情として反映
- 打鍵が激しくなったら調子が乗ってきたと判定して笑い顔にする
- (普通のキーボードでは不可能ですが)やたら強く打鍵してたら怒り顔にする
4. なぜオープンソースなのか
勉強と転職活動の取っ掛かりとして作ってるからです。
セルフブランディングが狙いだからお金取らないでもいいかな、と。
なお開発コストは(私の人件費を無視すると)Unity Assetの購入費だけで、ブースト購入してくださった方々のおかげで回収済みです。
5. VRM勉強会について
過日5月22日(水)の「第2回VRM勉強会」にて、VMagicMirrorの宣伝もかねてLT登壇しました。
SpeakerDeckにLT資料を上げてあります。
アーカイブ映像では動いてるMegumi Baxterさんも見られます。(42分あたり~)
なお、直前のLTとネタが被っていたので動画中では説明をはしょってます。ひとつ前のVDRAWのLTもあわせてご覧ください。
6. 最後に
タイトルの通り、本記事時点ではVMagicMirrorはv0.8.2aで、まだv1.0.0には到達していません。
v1.0.0を目指すにあたり、現時点で以下のような更新を予定しています。
- 初回起動時のUX向上
- 顔トラッキングの品質向上とCPU負荷対策
- デスクトップに常駐しても嫌じゃないようにするための工夫
- VRMのライセンス表示をもっと見やすくする
- 表情の自動制御
- キャラの背後に影を落とせる機能
- MIDI系の入力対応
- アイコンの非デフォルト化
…他にも何か考えてた気がしますが忘れました。
ともあれ、引き続きVMagicMirrorの発展にご期待下さい。