Softbank Pepperのアプリ開発コンテストであるPepper App Challenge 2015 Winter(PAC)に参加したのでそれに関して。
もくじ
- Pepper App Challengeってどういうコンテスト?
- 所属チーム「HUG Project」について
- 受賞の感想とか
- ちょっと反省文とまとめ
1. Pepper App Challengeってどういうコンテスト?
一般消費者向けPepperアプリケーションのコンテストです。基本的な情報としては公式情報と各種メディアのレポート等があるので基本的にはそちらでご確認ください。私が記事書いた時点で確認できた記事はこんな感じです。
ロボットスタート(ネット記事としては最速だったようです)
2015/12/20追記: まとめ記事が追加されたのでコチラを見るといいかもしれません。
【全まとめ】「Pepper App Challenge 2015 Winter」&「Pepper Innovation Challege 2015」
- 【速報】Pepper App Challenge 2015 Winter決勝進出アプリ(展示会場)
- 【速報】Pepper App Challeng 2015 Winter決勝大会【結果発表】
- 【PAC & PIC】Pepper App Challenge懇親会レポート【飲み過ぎるなよ!】
ロボットドットインフォ
ギズモード・ジャパン
ニュースイッチ
2. 所属チーム「HUG Project」について
HUG Projectについては公式ページからご覧いただけます。PACに関連してHUGに特に注目してくれてた記事もいくつかあったので列挙しておきます。
- Pepperでイベントを疑似体験できる「HUG」、ソフトバンクのアプリ開発コンテストでW受賞
- ダックリングズの「HUG」、VR技術とロボットをつなげ、遠隔地にいてもまるでその場にいるようなコミュニケーションを実現
- ダックリングズ、VR技術とロボットをつなげたHUGでW受賞
いちおう私なりのコトバでも簡単にご紹介すると「寝たきりのお婆ちゃんが遠隔地で開催される孫の結婚式に出席したい」「孫としてもお婆ちゃんに何とか結婚式へ出席して欲しい」という願いから発足したプロジェクトで、テレイグジスタンス/テレプレゼンス(遠隔存在)技術とPepperの組合せにより実際にお婆ちゃんが遠隔での結婚式出席を行うことが出来た、という成功済みのプロジェクトです。プロジェクトの成功後も同様の需要つまり自力での移動が困難な方のテレイグジスタンス支援のため開発と改良が続けられています。
私はHUG Projectの開発や運用に直接的な形で貢献したわけじゃないのですが、PACの最終選考の約1か月ほど前にお声かけいただいてKinectセンサーでPepperを動かす方法(この記事)とか音声中継(この記事)、音声認識(この記事)周りで知識があるので相談を受けてた結果、チームメンバーの一員になってます。たぶん最大の実績は「実装担当の方にKinectの導入を決定させた」という点でしょうか。実際、デモ展示では人とPepperが揃った動きを取る様子に驚いてくれる来場者の方が沢山いらっしゃいました。
3. 受賞の感想とか
記事タイトルにもありますが、HUG ProjectはPepper App Challengeの賞のうち「ベスト介護福祉賞」と「最優秀賞」を受賞しました。前者はプロジェクトの実績を評価して、後者についてはコンセプトに加えて技術的ハードルを(途上段階ではあるものの)ゴリゴリ乗り越えていることが評価されて受賞に至っています。
受賞の感想は長々と書いても面白くないので一言だけ。私としては、Pepperがテレイグジスタンス分野に応用できるという事実にソフトバンクロボティクス(SBR)が前向きな理解を示してくれた事を喜ばしく思っています。より個人的なこととしては、Kinect程度の粗いモーションキャプチャ系でもうまく使えばテレイグ実用に堪えるパフォーマンスが出せると実証できたことに満足してます。
唯一うしろめたいところがあるとすれば、私がHUG Projectに参加したのがPACの一次予選結果が決まった後であって、なんか勝ち馬に乗った節があることくらいですかね…まあKinectの導入決定には関わってますし、一定のコントリビューションはあったと信じたい所です。
4. ちょっと反省文とまとめ
私はチームに入ってから日が浅かったので、HUG ProjectはPACの審査基準をかなり破っていたのに高評価を得てしまったという観察事実をほぼ第三者の目線で見ることが出来ました。それについて簡単にメモっておきます。
まずPACの審査基準を見てみましょう。コンテストの内容全体は公式ページに載っていますが、特に審査基準の文面には次のように書かれています。
・Pepperらしさ: スマートフォンアプリとは異なる、Pepperならではの機能を採り入れたアプリ(人との会話や、身振り手振り等)
・エンドユーザー満足: エンドユーザーがご自宅で実際に楽しんだり、活用できるアプリ
・継続性: 飽きずに何度も利用したくなるアプリ
・インタラクティブ性: 人とPepperが双方向のやり取りをしてコミュニケーションを楽しめるアプリ
平たく言うと「ご家庭のPepperへ手軽にインストールして簡単に利用でき、毎日でも繰り返し使いたいと思わせてくれる楽しい、便利なアプリ」を募集しています。これは一般消費者向けアプリケーションの収益化とかビジネスを見据えてると考えれば自然な基準です。
さてHUG Projectはどうだったのでしょうか。
- ○ Pepperらしさ: 身振り手振り、人型であることが有効活用されてるのでOK
- △ エンドユーザー満足: 満足は得られているが、自宅での気軽な利用はいまだ想定されておらず、ユーザを手伝う運用担当者やごつい外部ハードウェアが必要
- △ 継続性: アプリ自体は何度でも使いたいと思ってもらえるものの、手軽に使える環境が無いので実情としてムリ
- ?(たぶん△) インタラクティブ性: Pepperを経由したヒト同士の双方向コミュニケーションはあったけどPepperのインタラクティブ性と呼んでいいのかは疑問
…なんだか審査基準に適合してないですね?少なくとも上に書いた「家庭のPepperにインストールして気軽に毎日使ってもらう」という本来PACが指向していたアプリとは少し方向性が違います。
しかし実際の審査にあたっては上記の問題点はいったん保留し、コンセプトとか技術面といった良い方の側面を評価してもらえました。これはHUG Projectにとっては非常に有利な審査体制だったと思います。
これは私の予想になりますが、今回のような審査のされ方は次回以降のPACでも続くような気がしています。つまりPACに適合するアプリを出したいなら「最も重要なファクターであるコンセプトと、そのコンセプトは具体化可能だと証明するための実際のアプリ」という組合せで作るのが最適であろうと。実際、HUG Project以外でも最終選考まで進んだアプリは多かれ少なかれそういう志向性を持っていたと思います。平たく言うなら「PACの事は気にせずに好き放題に作ったやつを提出しなさい」と言ってもいいのかもしれません。
なので次回以降の出場を考えている方もぜひそうした力点の置き方に意識をやって、「コレって実現したらステキでしょ!」というメッセージ性を大切にしたステキなアプリケーションをどんどん作り、開発者界隈やロボット界隈を盛り上げていただけると嬉しいなーと思います。もちろん私も手が空いてたらお手伝いするので、「モーションコントロールとか活用してこういう事したいんだけど」というお話があればぜひご一報ください。