はい。
まずは事実関係から
姿勢情報インプット人型デバイスであるQUMARIONの、 公式SDKがいつの間にか公開終了していました。
SDKの公開終了を知った経緯ですが、発端は以前に作ったC#
向けラッパーの、
QumarionDotNetへのissueでした。
こちらで公式サイトのSDKがダウンロードできないとの報告を受け、 SDK公開先のはずのURLにアクセスしてみたところ、 QUMARIONの購入ページに飛ばされてしまうようになってました。 以下がそのURLです。
http://www.clip-studio.com/quma/sdk
私自身も何が起こったのか興味があったため、 CELSYSの問い合わせフォームで聞いてみたところ、 「SDKは公開終了しています」という主旨の回答を頂きました。
QUMARION自体をまだ売っているのだから SDKもあわせて公開継続してほしい気はしますが、 まあ発売当初よりQUMARIONの存在意義が薄れているので、 SDKの公開終了も道理かなあ、と思っています。
なぜQUMARIONはもう不要なのか
QUMARIONが昔に比べて不要なデバイスになってしまった理由ですが、 私の観察ではVRが伸びたからで説明がつくと思っています。
というのも、HTC ViveなどのややハイエンドなVRであれば 「VR上でキャラをぐりぐり動かす」というアプリケーションによって QUMARIONとだいたい同じ事ができます。 ユーザー自身が手足を動かすモーションキャプチャベースでも キャラを動かす方法はいろいろあります。
まだ「コレだ!」と言える定番ソフトは恐らくありませんが、 それでもVRは(少なくともポテンシャルとして)以下の点で優れています。
- 拡大、縮小などが自由
- ヒューマノイドキャラを差し替えて直接グリグリできる
- 手の指など、細かいところにも手が入れられる
- 汎用的なVR機材だけ持っていればOK
- FKにもIKにも対応でき、キャラの骨格差に対してロバスト
いっぽうQUMARIONはこう。
…ボコボコですね。 セルシスからすれば十分頑張ったし潮時でしょう。
それでもQUMARIONは良いヤツだった
VR機材との比較でQUMARIONをこき下ろしてしまいましたが、 追悼記事としてQUMARIONの良いところにも触れておこうと思います。
今でもQUMARIONがオンリーワンで優れている所として、 「触ることができ、目を離しても操作できる」という点が挙げられます。 これがメリットとして活きるケースはちょっと特殊ですが、 例えばPepperを動かしたコレが一例になります。
https://twitter.com/baku_dreameater/status/678347488730812416
ここではユースケースとして以下の条件が揃っています。
- リアルタイムで使う
- リアルな物体である、人型の何か(Pepper)を動かす
- 操作者はQUMARIONから目を離したい(Pepperのほうを見ていたい)
コレはQUMARIONの用途としてはヘンテコな部類ですが、 このような使い方であれば、人形という物体の形状がとても有効に働きます。
…やっぱりいい子でしたね、QUMARION。
追悼される記事たち
古いものから順に。
- QUMARION SDKをC#でラップしてみた
- QUMARIONを使ってPepperを操縦する
- QUMARIONをUnityで使うライブラリを公開しました)
- QUMARIONのUnity用ライブラリでQUMARIONのボタン状態を参照する方法
- QUMARIONのUnity用ライブラリでQUMARIONの体の傾きを測る
- 【QUMARION】お人形でMMDモデルを動かす【MMD/MMM】
以上です。