本記事はプロ生ちゃんAdvent Calender 24日目の記事です。先に断っておきますが開発系の記事ではありません。24日目を投稿するということはクリスマスイブにプロ生ちゃんと一緒と言っても過言ではないのでは
概要とか
事の発端はつい先日セール期間中に購入したセルシスのQUMARIONです。このQUMARIONというのは多関節の人形みたいな形をしたデバイスで、関節を手でグニグニ動かすことでモーションデータを拾えるデバイスです。CGの操作が苦手な人には(もしかすると得意な人にも)非常に重宝されているそうです。
QUMARIONで具体的に出来ることの例は以下の通り。
- CLIP STUDIOで3Dキャラクターを表示する際に、キャラのボーンをQUMARIONで動かせる
- 3ds Maxにプラグインがあるのでそっちでもキャラが動かせる(らしい)
- Mayaにプラグインがあるのでそっちでもキャラが動かせる(らしい)
さらにQUMARIONのSDKも公開されているため、つい先日の記事「QUMARIONを使ってPepperを操縦する」で紹介したように外部デバイスのコントローラに使うなど、任意の用途に拡張して使うことも可能です。
ただし今回の主役はあくまでプロ生ちゃんです!そこで今回は王道と呼ぶべきQUMARION連携ソフトであるCLIP STUDIO PAINT上でQUMARIONを使い、3Dのプロ生ちゃんライセンス素材を風景中に良い感じに配置してみましょう。
準備するもの
最初に以下を用意します。
- WindowsのPC(Vistaくらい~Win10まで)
- CLIP STUDIO PAINT
- QUMARION
MacだとダメなのはQUMARIONがWindowsにしか対応していない為です。
またコレは本題と関係ありませんが、QUMARIONは年2回くらい短期半額セール期間をやってる(少なくとも今まではコミケ前くらいの期間に定期的にやってるらしいです)ので、倹約につとめたい場合はセール期間を狙い撃ちするのがオススメです。ふだん13万円程度で売ってるQUMARIONがセール期間中なら6万円で買えます。けっこう大きい差ですね。記事の冒頭にも書いてますが、かく言う私も半額セールで買いました。
3. QUMARIONを使うまでの準備
とりあえずQUMARIONを付属のmini USB ケーブルでPCに接続します。ドライバとかは勝手にインストールされるので、QUMARIONは繋ぐだけ繋いでいったん放置。
次にCLIP STUDIO (CLIP STUDIO PAINTじゃなくてランチャーの方)を起動し、「ライセンス素材」をクリックします。私はCLIP STUDIOのほぼ素人なのですが、こちらのライセンス素材では規約付きで公式に配布されている素材がダウンロードできます。
プロ生ちゃんを選び、規約をチェックしたらダウンロード(※以下のスクショはダウンロード済の状態です。ダウンロード時には場合によってはCLIPへのログインが必要になったりします)。
ダウンロードが完了したらCLIP STUDIO PAINTを起動し、「素材->ダウンロード」を確認してみます。素材ウィンドウが表示されてない場合はメニューバーの「ウィンドウ->素材->ダウンロード」から開いてください。
上の絵にもある通り、プロ生ちゃんがキャラクタとして登録されているのでキャンバスにドラッグ&ドロップ。
3Dキャラ用のレイヤーが作成され、プロ生ちゃんが配置されました。キャラのボーンを選択せずにマウスでグリグリいじるとカメラの位置や角度が調整できます。ひとまずプロ生ちゃんの全身が見える位置に配置しておきます。 ココからが一旦放置してたQUMARIONの出番です。CLIP STUDIO PAINTのメニューバーで「ファイル」を見ると「QUMARION」という項目があるので、そこから「QUMARIONを使用」を選択。
この状態でいったんプロ生ちゃんの選択を解除して再び選択すると、キャラ下のバーにQUMARION用のアイコンセットが追加されています。
この4つのアイコンのうち一番左にある「QUMARIONを有効」をオンにすることでプロ生ちゃんとQUMARIONの同期がとれます。
出来ました!写真だと伝わりませんが実際にはリアルタイムに連動してくれています(上のポーズはUnityちゃんリスペクトのポーズです)。
QUMARION操作とモデルのポーズ確定まで
接続が完了したら、プロ生ちゃんを選んで「QUMARIONの有効化」をオンにしている間はQUMARIONをグリグリ動かしてモデルを動かせるようになります。
操作中のポイントは以下の通りです。
- (最重要?)「QUMARIONを有効」をもう一度クリックしてオフにしないとCLIP STUDIO PAINTが終了できず、他レイヤーへの移動も出来ない
- 「加速度センサーを利用」(いちばん右のアイコン)をオンにするとQUMARION側の全身の傾きも反映される。寝転んでるポーズなど、直立じゃない場合に有効
- 「常時接地」(左から2番目のアイコン)をオンにするとキャラが常に接地する。立ってるポーズの場合に有効
今回はQUMARION付属の専用スタンドを活用し、常人にはほぼ不可能と思われるポーズを取ってもらいましょう。加速度センサーを使って姿勢の変化も伝えています。
ブラボー!おお…ブラボー!!
これでおおかたポーズは組めていますが、補足としてもう一つ重要なことが。今回は現状のままでも十分それっぽくなってますが、実はQUMARIONの弱点としてココまでの操作で手指のポーズ制御が全く出来ていません。QUMARIONは手首から先のモーションは取れないので指のポーズ、例えばグーチョキパーとかそういうのについては別途決める必要があります。(手の動き専用のQUMARIONみたいなデバイスが存在したら喜ぶ人が居そうだな、と思うのは私だけでしょうか?)
ただし心配には及びません!幸いにしてCLIP STUDIOでは標準の3D素材が充実しているので、手の形に関しては既存の素材でもかなりいい感じのがある場合がほとんどです。
※注意: 手のポーズを作った後で「やっぱり全身のポーズをQUMARIONで直したい」というケースもあると思いますが、「QUMARIONの有効」をオンにするとその時点で手のポーズが初期状態に戻ります。操作手順にはじゅうぶん注意してください。
「素材->3D->ポーズ->手」を選ぶと手のポーズの一覧が出てくるので、適用したいポーズを選び、プロ生ちゃんに適用する手(左手か右手か)をキャンバス内で選択した状態でドラッグ&ドロップ。
これで手のポーズが反映されます。注意ですがターゲットにする側の手を選択していないと両手に同じ手のポーズが適用されます。もちろん場合によってはそれでも良いのですが、ふつうは両手の手のポーズは違う方が自然かと思うので、個人的には一つずつ適用するのがオススメです。
上のイラストでは右手にポーズを適用していますが、左手側にも同じように「適用したいポーズを素材から選ぶ」「手を選択」「ドラッグ&ドロップ」の手順でポーズを適用します。あとはコレでも調整しきれてないボーンについて部分について左クリックで掴んで微調整をかけ、カメラの位置を修正すれば、このようになります。
仕上げ
あとは普通のお絵描きと同様に背景やらなんやら足して完成なのですが、3Dならではのいじり方としてプロ生ちゃんのレイヤーに3D素材として背景を追加することも可能です(普通にプロ生ちゃんレイヤーで「素材->3D->背景」の好きなやつを選んでドラッグ&ドロップ)。
今回は学校校舎の背景素材を使いつつフキダシ、集中線などを使ってこんな感じにしてみました。
プロ生ちゃん以外の使用素材は下記の通りです。
- 背景(学校外観): CLIP STUDIO PAINTの素材
- フキダシ内台詞フォント: しねきゃぷしょん
- フキダシ外の「ゴゴゴゴ」のフォント: ジン乱扇-R
…なんか本題から脱線した感じがしなくもないですが。ともかくQUMARIONを使うと自由にプロ生ちゃんのポーズを取らせることが可能だ、という話でした。繰り返しになりますが倹約に努めている諸兄はセール期間を狙ってQUMARIONをご購入ください。お金に余裕がある方は定価で購入してください。この記事を読んだあなたにQUMARION買わないという選択肢は存在しません
明日25日にプロ生ちゃんAdvent Calenderのトリを務めるのは白鷹さんです。よろしくお願いします!
25日追記: 25日目の記事が公開されました!コチラです!